「ミラ!そこの伸び耳も片付けておいてくれ!」
「あぁ、わかったよ。」

今日も大変な一日だった。
ありがたいことにWWWの悪戯グッズを求めて
朝の開店から今までひっきりなしにお客様がやってきていた。
ようやく閉店作業も終える頃、フレッドに言われ階段の手すりから一階のフロアに伸びている「伸び耳」に近づく。
いつもだったらすぐ片付けてしまうが、なんとなくミラは自身の耳にイヤホンを着けてみた。
バタバタと忙しなく鳴る足音、注文書を捲る音に2人の声。
「この商品は人気だからもっと在庫を増やした方がいいと思うけど、フレッドはどう思う?」
「俺もそう思ってた。こっちの片付けはやっておくからジョージはそれやっといてくれないか?」
「あぁ。わかった。なんかあったら呼んでくれ。」
「おう」
パタパタと足音が遠のく。

休憩はこれくらいにして片付けよう、そう思い着けていたイヤホンに手をかけたその時、
「I love you」
ミラは突然耳元で聞こえた声に驚きながら声の主が居るであろう一階を見た。
そこには案の定悪戯な笑みを浮かべたフレッドがミラを見上げていた。
「サボりかい?」
「休憩していただけさ」
パシッという音と共にフレッドが隣に現れた。
「最近慣れてきたと思ったけど、少し耳が赤いみたいだな?」
「なっ!!ここから聞こえてくると思ってなかっただけさ!ほら、はやく片付けるぞ!」
赤くなった耳を隠しながら伸び耳を片付け始めるミラを横目にフレッドは満足そうに魔法で店内の掃除を始めた。

色々あったけどようやく閉店作業が終わった。
あぁこんな日々がずっと続けば良いのに
そんなことを思いながら店を後にするミラだった。

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